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8560w の Quadro 2000M のパフォーマンスは、さすがに年式相応といった感じでした。が、8560w はどうやら MXM というモジュール式の GPU を搭載しているようで、その気になれば交換可能です。中央あたりのグリスのついたチップが Quadro 2000M で、それが乗っているカードが MXM です。
MXM にもいくつか規格があり、また近年はこういうモジュール式にするメリットも少ないのか、新しいモデルも登場していないので、限られた選択肢の中から選ぶ形になります。
パフォーマンスがあがりそうなものとしては、以下2種類がありそうです。
・GeForce 965M
・Quadro K2200M
GeForce 965M の方がパフォーマンスが高そうです。が、eBay で調べてみると Quadro K2200M が $60~、GeForce 965M は $200~といった感じ。いざ購入して動かない、となった場合のダメージを考慮して、今回は Quadro K2200M を選択しました。
K~M の型番だと Kepler 世代かと思いきや、Maxwell 世代のカードのようです。なので、GeForce で比較すると 950M 程度のパフォーマンスはでそうなので、価格を考慮すると悪くない選択肢だと思っています。
なお、MXM はリテール販売はおそらくないため、別の機種から取り外したカードが販売されている、と考えてよいと思います。そして、取り外し元の機種が、hp ではなく Dell を選択したほうがベターです。
どうやら、hp のカードはビデオ BIOS (GPU の BIOS) が MXM ではなく、本体側の BIOS に同梱される形になっていて、MXM 側に BIOS チップが乗っていないらしいです。そのため、本体側の BIOS で想定しないモデルには対応できません。
Dell のカードは MXM 側に BIOS チップがあるので、想定していないカードとの交換が可能です。
交換の際の注意点として、ビデオ BIOS のバージョンが違うと画面が映らないとか、ドライバの導入に署名の強制を無効化するなどの操作が必要になることがあります。
その間もシステム自体は動作しているので、事前にリモートデスクトップなどを有効にしておき、別 PC から操作できるようにしておくと便利だと思います。
ビデオ BIOS の更新
カードを交換したところ、予想通りではありましたが、液晶には何も表示されませんでした。しかし、OS は起動しているようで、別の PC からリモートデスクトップ接続が可能でした。
その状態でビデオ BIOS を確認すると、以下の通り「82.07.80.00.1B」となっていました。(購入前に販売者が記載していたバージョンと一致していました)
検索したところ、Dell の Quadro K2200M でビデオ BIOS が「82.07.5F.00.09」だと 8560w でも使用できそうだ、ということがわかりました。そのため、ビデオ BIOS を更新してみることにします。
ビデオ BIOS 更新用のツールである nvflash と、ビデオ BIOS ファイルをダウンロードします。nvflash ツールは起動ディスクから DOS を起動して更新する方法もありますが、それだと画面を確認できないので、Windows や Linux から更新できるツールを入手すると楽です。ビデオ BIOS ファイルも、バージョン番号で検索すればダウンロードできると思います。(正規のダウンロードサイトではないと思いますが・・・)
ビデオ BIOS 更新の際に、デバイス ID が違うとかのエラーで書き換えられなかったのですが、
nvflash -6 vbios.rom
と -6 を引数に指定すれば上書きが可能でした。
以下のとおり「82.07.5F.00.09」に更新したところ、液晶ディスプレイの表示と、アナログ RGB 出力が可能であることを確認しました。ディスプレイポートは、適合するケーブルがないため未確認です。
ドライバの導入
NVIDIA のサイトから、Quadro K2200M のドライバーをダウンロードします。が、サポートしていない構成とでてインストールができません。
どうやら、ノート PC 用のドライバは PC 本体と GPU がセットになってハードウェア ID になるので、想定していない組み合わせになって対応ハードウェアと認識されないようです。
エラー画面になったときに、C:\NVIDIA\DisplayDriver フォルダを見てみると、ドライババージョンのフォルダがあります。それを適当なフォルダにコピーしておきます。(エラー画面を閉じると、このフォルダはクリーンアップされるので、その前に別フォルダへコピーしておく必要があります)
コピーしたフォルダの、[ドライババージョン]\Win11_Win10-DCH_64\International\Display.Driver\nvblwi.inf を開き、ハードウェア ID が並んでいるあたりにデバイスマネージャーから確認したハードウェア ID を追記して保存、[ドライババージョン]\Win11_Win10-DCH_64\International\ フォルダの setup.exe を実行すればインストールできます。
と思ったら、署名がないドライバはインストールできませんでした。以下3点の設定変更が必要です。
・セキュアブート無効化
・ドライバ署名強制無効化
・テストモードで Windows を起動
テストモードはドライバインストール時のみ必要です。インストールが終わったら、テストモードを解除することが可能です。
ただ、今後の Windows の更新次第では、またほかにも操作が必要になるかもしれません。実際、8560w で MXM 交換を紹介するサイトを見ていても、テストモードで Windows を起動することに触れているサイトはほとんど見かけませんでした。
これで無事、ドライバのインストールもできました。目に見える不具合としては、署名のないドライバをインストールしていることと、液晶ディスプレイの明るさを変更できなこと。
後者はレジストリの変更などで対応できそうなのですが、今のところ改善できていません。
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