Japanese Stable CLIP を試してみた

ThinkPad X260 に Arch Linux をインストールしてみる (from Ubuntu)

以前購入した ThinkPad X260 ですが、当初 Windows 11 をインストールしていたものの、途中で Ubuntu に入れ替えていました。
ですが、もう少し自分でコントロールしやすい (気がする) Arch Linux をインストールすることにしました。

基本的なインストール手順はこちら。

もちろん日本語に翻訳されたドキュメントもありますが、問題はそこではなく、ウィザード形式のインストーラーなんてものは用意されていない、という点。
その分、インストール手順のドキュメントは充実しています。充実しすぎていて、初見だと各項目で示される選択肢の中から何を選べば良いのか迷うと思います。
インストール手順いは、各ステップで何をするかが書かれているだけで、何を選ぶかは選択肢が示されるだけです。その選択肢の中から自分の欲しい物を選んでいくというのが、難しくもあり面白いところです。

from Ubuntu

Arch Linux は、必ずしも専用のインストールメディアから起動する必要はありません。既存の Ubuntu からインストールを実施することも可能です。
公式にも、そのパターンのドキュメントがあります。こんなところからも、選択肢があるのです。

ミラーサイトから bootstrap tarball をダウンロードしてきて展開、そこに arch-chroot した上でインストール先のパーティションをマウントするというもの。
この時点でインストールメディアから起動したのとほぼ同じ環境になるので、あとはインストール手順に沿って作業が可能です。
ただ、ブートローダーのインストールで注意が必要でした。

grub

ブートローダーには grub を使うことにします。
既存の Ubuntu も残しておきたいので、Ubuntu のブートローダーを残して、そこに Arch のエントリを追加しようと想定してインストールを始めました。
ところが、Ubuntu は /boot も / と同じパーティションに含まれていて、/boot/efi が別パーティションになっています。最近の grub は設定ファイルを手直しするのではなく、ツールを使って生成するので、パスが違うとデュアルブートさせにくいのかと思いました。
が、どうやら、UEFI モードでブートする場合は事情が異なるようです。これは今回始めて知りました。
(確かに、以前から /boot/efi てなんだろうなぁ とは思っていましたが・・・)


UEFI がブートローダーの役割を持っていて、そこから EFI 用のシステムパーティション内の grub をチェインロードして、grub が Linux カーネルを起動する形になるらしい。
そのため、「grub を MBR にインストール」という概念は過去のもの。
「grub-install」コマンドを実行する際も、指定した場所に UEFI からチェインロードされる grub の一式を配置し、efibootmgr でブートエントリを追加する、という動作をするのみ。なので、以前のように grub-install で既存のシステムごと起動しなくなるかも・・・という心配は、そこまで気にしなくても良さそうです。

efibootmgr

ここで突如登場する efibootmgr。UEFI のブートローダーを設定するコマンドです。コマンドを実行すると、現在の設定内容が表示されます。
$ sudo efibootmgr
BootCurrent: 0001
Timeout: 0 seconds
BootOrder: 0001,0000,0017,0018,0019,001A,001B,001C
Boot0000* ubuntu        HD(1,GPT,c196c00f-e610-4b36-986d-42098f6a498c,0x800,0x100000)/File(\EFI\ubuntu\shimx64.efi)
Boot0001* grub  HD(1,GPT,c196c00f-e610-4b36-986d-42098f6a498c,0x800,0x100000)/File(\EFI\grub\grubx64.efi)
Boot0010  Setup FvFile(721c8b66-426c-4e86-8e99-3457c46ab0b9)
.....
このうち、「Boot0000* ubuntu」となっているのが Ubuntu のエントリ。「Boot0001* grub」となっているのが Arch のエントリです。Arch のエントリ名 (ここでは grub) は、grub-install コマンドの引数で指定可能なので、任意の文字列にすることができます。
上記の通り、grub-install コマンドを実行すると、efibootmgr も同時に実行してエントリを追加してくれます。
または、efibootmgr コマンドを使用して、エントリの追加や削除も可能。で、この各エントリを見てみると、File 〜で次に呼び出す grub を指定しているので、UEFI から認識できるパーティション (EFI System partition) が必要だけれども、それさえ作ってしまえば grub のインストール、構成は BIOS (MBR) のときほど気を使わなくても大丈夫なようですね。

ネットワーク

インストール中は Ubuntu のネットワーク接続を利用できるので問題ないですが、Arch で起動したあとにもネットワーク接続が行えるようにしなくてはいけません。
有線 LAN なら dhcpcd のような DHCP クライアントがあれば十分。
無線 LAN の場合は NetworkManager を使うか、iw,wpa_supplicant を組み合わせるなどが必要です。NetworkManager は CLI も用意されているので、後々デスクトップ環境を入れるのなら先に NetworkManager を入れてしまうのも手だと思います。
ただ、インターネットにつながらないと、pacman でパッケージをダウンロードすることもできないので、忘れずにインストールしておきます。


これで Arch Linux を起動させる準備はできました。無事に起動できたら、次はデスクトップ環境を用意します。

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