Japanese Stable CLIP を試してみた

UNITED STATES 2022 [Austin]

コンストラクターズ チャンピオン決定

コンストラクターズも決定。時間の問題でしたが、今季は本当に圧倒的。開幕戦が遠い昔のように感じます。

このリストの前もレッドブルが4連覇でしたし、強いチームが固定化されてしまうよりも、いろいろなチームが入り乱れているほうが、見ている方は楽しめます。
そういう意味では、今回のレースはレッドブル、メルセデス、フェラーリがトップ3を分け合うという形で見ごたえがありました。今季残り3戦、そして来季以降もそういうレースが見られることを期待します。

バジェットキャップ

そういう中で賑わっているのが、昨年の予算超過の件。
10/28 時点では、チームも ABA に合意してペナルティを受け入れる方向だとか。ペナルティも「罰金と空力開発枠の削減」と言われているようですが、個人的にはポイント剥奪や結果からの除外のような処置はしてほしくないと願っています。
昨年はあれだけの激しい戦いがあり、それだからこそ今見直しても心が動くほどの感動があったと思います。

こういうモノの価値まで変わってしまうようなことを、今さらやることには反対です。もしやるなら、去年の結果はすべて暫定結果にしなければならない、と言いたい。結果は1年後のお楽しみ、と。
そんなモノに興奮するでしょうか? どうしたって冷めた目で見てしまうと思います。

もちろん、不正があればそれを正さないと、競技の公正さは保てない。なので、ペナルティはペナルティで与える。結果は結果で、決まった結果を覆すようなことは、本当にどうしようもない場合に限る、最終手段にしておいてほしいと思います。

もともとは、お金をかければかけただけ有利になる。そうなるとお金持ちのチームは強くなり、お金がないチームは下位に沈んだまま。下位に沈んだままだから分配金も少なく、スポンサーへの露出も少ないのでお金が入らない。お金が入らないから強くならない。結果として序列が固定されてしまう。
そういう不公平を減らそう、ということがバジェットキャップの目的だったと思います。そうすることで、新規チームの参入を助け、既存チームも広く持続できるようにする。
それなら、お金を使いすぎたチームは開発を制限することが、目的に沿ったペナルティだと思います。(開発が制限されることでパフォーマンスが低下し、順位も下がることが期待できる)

そういう意味では、トトが言っていた「(ペナルティが軽いなら) ペナルティ前提で予算超過してパフォーマンスを上げる」なんて発言は、目的に真っ向から逆らう発言だと思います。
まあ、あのチームは昨年もペナルティ前提で PU 交換してパフォーマンスを上げてましたよね。PU の使用制限も、コスト制限の一環なので目的は同じはず。良くも悪くも、メリットとデメリットを天秤にかけているのでしょうけれども、自分が勝てればよし、と思えてあまり好きではない戦略です。

ポイント制度

鈴鹿で起きた、ハーフポイントなのでは問題。
Sporting Regulations の 6.5 には、以下の文章があります。
If a race is suspended in accordance with Article 57, and cannot be resumed, points for
each title will be awarded in accordance with the following criteria:
これに続けて何周の場合は何%で〜と個々の事例が記載されるのですが、「and cannnot be resumed,」があることにより、レースが中断して再開されない場合の条文になっています。鈴鹿のようにチェッカーが振られた場合はレースが完了したことになるので、 cannnot be resumed ではなくなり、この条文には引っかからずフルポイントが与えられる、というロジック。
で、この辺は 2021 年のスパの一件を機に見直された、と言われていましたが、そこで見直されたのはこの文章に続く各事例の箇所だったはずです。
つまり、以前から中断で終わったらハーフポイントで、チェッカーが振られたらフルポイントだった様子。

じゃあ、なぜ鈴鹿でこの問題がピックアップされたのでしょうか?

おそらく、肝はこっち。5.4 の b)。
Should the race be suspended (see Article 57) the length of the suspension will be
added to this period up to a maximum total race time of three (3) hours.
鈴鹿でも適用されました (そしてチェッカーのタイミングの混乱もありました)、中断があった場合、レース開始から 3 時間経過したらレース終了とする条文。
これは、(確か) 2012 年のカナダ GP で、中断に次ぐ中断でレース時間が 4 時間になったことを受けて、レースが再開してもトータルの上限を設けるために作られたルールです。
3 時間上限ができる前は、例えば中断でレースが遅れて日没になったらそこで赤旗中断でレースが終了 (中断) となったと思います。なので、6.5 の条文にあてはまる。日没などのレース続行できない条件がなければ、規定通りの周回数をこなしてチェッカーにした。なので、2012 年のカナダは 4 時間もかかったのです。

5 章はイベントのフォーマットを定義する章で、5.4 はレース距離を 305km にするとかそういうことが記載されています。この "3時間上限" はレース中断の条件ではなく、イベントフォーマットとして定義されています。
(関係ないですが、この 5.4  b) の前にある 5.4 a) では、モナコはレース距離を 260km にすると定義しています)

なので、”レース中断を挟むと3時間が上限” というのは、「3 時間がレースの 100%」と解釈できるのでは、と思うので、そうなると仮に 6.4 の「and cannot be resumed,」を削除しても同じことが起こりうる (スタートから 2 周走って中断、2 時間 50 分後にレース再開して 9 周終了時点でチェッカー、でフルポイント) と思います。
3 時間ルール適用時はチェッカーフラッグではなく、赤旗で終了させる、とかのほうが収まりがいいように思いますが、「予定通り赤旗を出す」というのは、それはそれで変な感じがしますね・・・
おそらく 2023 年のレギュレーションに向けて修正するのでしょうけれども、どうやって修正するのか注目したいと思います。

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