Japanese Stable CLIP を試してみた

ITALY 2022 [Emilia Romagna]

フェラーリ VS レッドブル

メルボルンでは手を付けられないほど強かったフェラーリが、ここイモラではレッドブルの後塵を拝する形。スプリント終盤にフェルスタッペンが逆転したばかりか、ペレスもあと1周あったらわからないくらいまで追いついていました。レースでも、ペレスが危なげなくルクレールを抑え切ったこともあり、今回はレッドブル優勢ということです。
これが単純なコース特性によるものなのか、レッドブルが持ち込んだらしいアップデートの影響なのか、たまたまセットアップが抜群に決まっただけなのかは、シーズンを進めてみないとわからないところ。

スプリント、レースといろいろあって忘れかけていますが、予選の終盤で黄旗振動の状態でフェルスタッペンは最速ラップを刻みました。これはなぜ問題なかったのでしょうか?
最速ラップだった18周目と、それに次いで早いラップだった17周目の車速を比べてみます。リバッツァへの進入直前で、緑のラインが大きく下がっています。これがボッタス車が止まったために提示された黄旗区間。十分原則したということで、要件は満たしたということのようです。
(それ以外の区間で早かったので、結果的にラップタイムとしては速かった)

しかし、メルボルンではフェラーリがグランドスラムかと思ったら、イモラではレッドブルがグランドスラム。違うチーム、違うドライバーが連続した 2 レースでグランドスラム達成は史上初だとか。レッドブルは 2016 年以来の 1-2 フィニッシュですし、チーム間の競争は 2021 年以上にわからなくなりそうです。

角田裕毅

本人含め、大きく落胆することになったクラッシュから1年。成長した姿を見せてくれました。
予選の戦略がうまくいかず、アルファタウリは2台そろって Q1 敗退。去年だったらそれを挽回しようとしてコースアウトや接触をしてしまい、しっかりとポイントを獲得するチームメイトと比較されてしまうことが度々ありました。
しかし、スプリントでしっかり順位をあげると、レースでも難しい路面状況のなかでミスなく走り続け、ミディアムタイヤ交換後はタイヤを労わって走ると終盤に次々とオーバーテイクを連発。
タイムも非常によく、最終ラップまで上位と変わらないタイムを出して前を追い続け、ポイントを獲得。なかなか国際映像には映らなかったのに、ドライバーオブザデイでも 8.7% 獲得して 5 位。今回のレースは、非常によいレースだったと思います。

S.ベッテル

メルボルンでの混乱から見事に復活。展開に恵まれた (後方で DRS トレインが発生し、なかなか追い上げてこなかった) 点もありますが、大きなポイントを持ち帰りました。
難しいコンディションながら、目立ったミスもなく、ある意味淡々と走り切って、終盤角田 (とルクレール) に抜かれはしましたが、まだまだ健在であることを見せてくれました。
これで全チームポイント獲得。トップ争いもそうですが、中段争いはレースごとにちょっとした差が明暗を分けそうです。


2020 年にコロナ禍を受けて復活し、複数年開催も決まっているイモラ。天候の影響も大きいですが、オーバーテイクもあって見ごたえのあるレースとなりました。
安全とのバランスということになると思うのですが、こういうコースから外れるとグラベル、というコースというのも、その面白さに一役買っているかもしれません。
今回も DRS トレインになるとなかなか抜け出せないなど、根本的にはオーバーテイクの難しいサーキットですが、それでも随所にレースが見られて見ていて楽しいグランプリでした。

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